足で相手守備をかき回す野球の強さは、ここ近年の高校野球のトレンドです。
特に「機動破壊」という信念の元、徹底した走塁術で甲子園を沸かせた健大高崎は良い例です。
野球の走塁術を簡単にイメージすると、
盗塁、ヒットエンドラン、バントエンドラン、スクイズ、
などがありますが、その中で難関だとも言われているのが、
「ホームスチール」という作戦です。
ホームスチールという戦術を常に成功させている選手はおらず、
プロ野球では4年に一回、甲子園でも2年に一回ぐらいしか見れないプレーです。
ホームスチールとは?
1塁ランナーが、投手のフォームを盗んで2塁に走るのが「2盗」。
2塁ランナーが、投手のフォームを盗んで3塁に走るのが「3盗」。
そして、3塁ランナーがホームに突っ込むのが「ホームスチール」です。
簡単に頭の中でイメージしてみるとだけで、
「本当に成功するの?」とネガティブな気分にさせるプレーです。
このホームスチールが行われる状況というのは、
「ランナー3塁のみ」という状況ではまず成功しません。
ホームスチールは、「ランナー1・3塁」、
または「ランナー2・3塁」、
それか「満塁」という場面で、
打者と投手の駆け引き、試合の流れ、
3塁ランナーの走塁レベル、相手の守備の穴、
などを上手く判断して、行われるのが一般的です。
今年(2015年)は広島新庄が甲子園でホームスチールを成功!
過去、甲子園でもなかなか見ることのないホームスチールですが、
今年は、甲子園初出場の広島新庄(広島)が早実戦で成功させてます。
広島新庄がホームスチールを成功させた状況は、
4−3でリードした4回の裏の攻撃。
ツーアウトでランナー1・3塁。
バッターは3番の選手で、
カウントは1ボール2ストライク。
ピーチャーが投げた瞬間、3塁と1塁のランナーは同時スタート。
早実のキャッチャーは慌てて、ワンバンの悪送球。
その瞬間、キャッチャーが2塁に投げようとしてる場面、
投手はホームを指していました。
画面が変わった次の瞬間には、
ランナーはホームにスライディング。
よほど、素晴らしいスタートを切ったことでしょう・・・。
初出場の高校が、優勝候補の早実相手に、
ホームスチールの試み・・・(しかも成功)
度胸満点で、びっくりしました!
ホームスチールをプロ野球で成功させた新庄、六大学で成功させた上本
プロ野球でホームスチールなど、
よほどの状況がないと無理です。
(これは素人でも言い切らせてほしいです)
しかし、プロ野球では、新庄剛志選手が、
オールスターゲームの中で成功させたと、
当時話題になり、現在でもその動画は人気です。
けど、新庄のホームスチールは球宴だからこそ?
のような気がします、詳細は動画を探してみてください。笑
大学野球でもホームスチールは困難なプレーです。
しかし、現在阪神にいる上本選手が、
早稲田大学時代に、ホームスチールを成功させているのです。
慶応大学と早稲田大学の一戦、
2−2の同点で向かえた7回の裏の攻撃にて、
2アウト2・3塁、カウント1ボール2ストライクの状況で、
3塁ランナーにいた上本選手がホーム突入を試みたのです。
ピッチャーの球がキャッチャーのミットにおさまった瞬間、
すでに上本選手はホーム付近にいました。
相手の左投手のモーションを早々と盗み、
かなり思いっきりの良いスタートと切ったとされてます。
また、打者が右バッターだったこと、
相手バッテリーの外の配球を読んでいたこと、
などが、この状況での成功につながったとされています。
この上本選手のホームスチールは逆転の得点だったので、
現在でも六大学の歴史に残る伝説のプレーとして扱われてます。